慈善事業2.0

どんな風になるのだろうか? id:umedamochioさんが書いた以下の記事を読んで心配になった:


つまりゲイツはこれから先「本当の引退」に至るまで、六百億ドルから一千億ドルの運用資金のもと、年間三十億ドルから五十億ドル規模の拠出金で、世界中のプロジェクト群から選び抜いた慈善事業ポートフォリオ(医療、教育……)を組成し、個々のプロジェクトの成果を厳しく評価しながらポートフォリオを組み替え、投資対経済効果ならぬ寄付対社会貢献効果の最大化を目指すのだ。まだ誰もやったことのないスケールで、未踏の領域に彼は足を踏み入れていくのである。
いや、なんだかすごいお金である。円に直せば 7兆円から12兆円、年あたりの供出金は 4千億円から6千億円だ。すごい。北朝鮮の年間の軍事費が 14億ドルだそうだから、拠出金だけで凌駕する。小さな国なら運命を左右するだけの金を使えるわけだ。

ビル・ゲイツはいうまでもなくPCの世界を、そしてそれを通じてわれわれの世界を変えてしまったやつだ。自分はどちらかといえばアンチMSの側に立つが、これだけPCを普及させ (そして nerdの地位を上げてくれ) た功績を認めざるをえない。もちろん悪評も高いが、それは彼の有能さがあってのものである。

そんな彼がそれだけの金を持って慈善事業に向かうわけだ。金だけの問題ではない。彼の能力を慈善事業にすべて向け、「慈善の鬼」となったらどんなことになるだろう。PC業界が大変革をしたように、慈善事業も様変わりしていくのではないか。革命的な慈善をした慈善団体にはばりばり資金を与え、価値のないぬるい団体からは資金を引き上げていく。そんな、団体間の切磋琢磨の環境になってしまうのではないだろうか。いや、それは全体としてはいいことなんだろうけど。

価値を認められなかった NPOの若者は、懸命にビル・ゲイツにすがりつくだろう。そんなときにビルの言うだろうセリフが頭によぎる:

「兄ちゃん、こちとら、慈善事業やらしてもらってるさかいになあ」

落ちを書くつもりはなかったのだが、浮かんでしまったので。お粗末でした。