9月11日が終わって

気づかないうちに 5年目の 911は終わってしまった。いや、うすうす気づいてはいたんだけど特に気にすることもなく。

でも梅田さんの日記Gigazineの記事を見て、やっぱり書いておこうと思った。

両方とも、別に新事実を提供しているわけでもなければ、まとめてわかりやすくしてくれているわけでもない。ただ単に、そばにいたものとしての事実や感情を見せてくれているだけだ。だからこそ思い起こさせてくれるものがあるのだろう。「アルカイーダがやった」 (「ユダヤがやった」でももしかしたら同じかも) と書かれると、それはもう記号になってしまう。その場にいた数千の人のことは、たんなる数になってしまう。

俺はといえば、当時日本で安穏と暮らしていた。会社で残業していた 23時ごろ、後輩が「貿易センタービルに飛行機がぶつかったらしいですよ」というのを聞いた。観光用かなんかのセスナが、間違ってぶつかったんだと思ってた。乗ってた人はしょうがないけど、他に死人が出てないといいなあ、と。

家に帰ってニュースを見てみると、もっとおおごとらしい。ビルから煙がもくもくとでている。しかも、もう一棟のほうにも飛行機がつっこんだらしい。他に、ワシントンにもつっこんだとか、まだハイジャックされている飛行機が他にも10機あるとか。ニュースを見つつ、2chをリロードしていた。厨房だな。

一つのビルが崩壊する瞬間は衝撃的だった。中継していたアナウンサーが「逃げて!早く逃げて」といって駆け出すのを見た。あれも、断片的な情報だったがゆえに、逆に恐ろしさを伝えてくれた。

あのあと「アメリカはテロをされてもしょうがない」とか内輪のメーリングリストに書いて送ってきた友人がいた。親米ではない自分だが、なにいってるんだと思った。

多分、今いる会社の同僚から 6degreeもたどらなくてもあの事件の被害者はいるんだろう。わざわざ聞いたりはできないけど。

国単位の戦争や報復のことはどうでもいいから、現場で灰にまみれた逃げる人、ビルのてっぺんで助けを請いながら罵声を浴びせる人のことを考えよう、と思った。