モチベーションの個人的モデル- 短距離走型と長距離走型

どうも最近モチベーションがわかないので山道を登りながら(嘘)考えてみた。

それなりにでかい仕事をする人のモチベーションには長距離走型と短距離走型があるのではないか。短距離走型でもでかい仕事をする (≒長距離を走る) ので、適切でないかもしれないが、ふと思いついたラベルなのでそういうことにしておいてほしい。

長距離走型は自分の内部でモチベーションを高めていって仕事をする。他者の介在を必要とせず、自分の基準で仕事を完成させていく。不言実行といったイメージだ。
対して、短距離走型が大きな仕事を成し遂げるときは、外部を使ってモチベーションを高めていく。つまり、小さな目標をいくつも達成して、外部とコミュニケーションを通して次の目標を達成していく。そういった小さな目標の積み重ねが大きな仕事になっている。
そんなことを考えたのは、渡辺千賀さんが紹介している、男のふりをして過ごした女性ライターの話を読んだから。こんな生活を1年も続けるには、かなりの内的モチベーションがないと過ごせないだろうなあ、と思ったのである。
そんな半分冗談のような実験に「なんらかの社会的意義がある」と自分をやる気を高め、そしてそのために色々と潜入するところを決め、行動する。もしかすると優秀な編集者がプロデュースして、いろいろと相談していたのかもしれないが (ここら辺、本を見ればわかるのかな)。

で、自分に翻って考えてみる。自分は今まで長距離走型であると思っていた。あまりひとと仕事の話はせずに、黙々とコードを仕上げるタイプである。まあ、半分理想であった気もするが、実際学生のころはそれでやっていた。でも最近のモチベーションがわかない状態を見るとそうではなかったのかもしれない。

それは、昔の Hackerのイメージから来ているのかもしれない。「何だかわからないが、あいつに任せればおもしろいものが出てくる」といった。伽藍タイプの仕事だ。TeX、METAFONTを作った Knuthなんてのが例だ *1

一方、最近のはてブなどに出てくる開発系の話題を見ると「βでもとにかくリリースしてまわりの反響を見ろ」とかいう話が多い。まさにこれは、反響を得て自分のモチベーションを維持していく短距離走型だろう。そうやって、他者を使ってモチベーションを増幅、そして修正しながら最終的な仕事にたどり着く。

もしかすると自分もそういう仕事をすべきなのかもしれない。しかしわかるように短距離走的な仕事はコミュニケーション能力と、批判に耐える能力が要る。どちらも自分にはかけているものだ。

まあ、単に長距離短距離に関わらず大きな仕事ができないタイプだったのかもしれない。それならそうとして人生の処し方を考えてみなきゃいけないが。

*1:いや、本当は一人じゃなくて学生と作ったらしいけど