就職活動や受験勉強などのメタ行為

どうやら昨今の日本の学生というのは卒業もしくは修了しようとする 1年前ぐらいに就職活動というものに励むらしい。なんでもそれは本業である学業や研究の時間を削ってまでやることらしい。

白々しく書いてみたが、自分が学生であるころからそういうものはあった。ただ、自分はあまり関わっていなかったので実態はよくわからない。会社見学などに励む友人などを見ながら、端末室で遊んでいた。大企業の上っ面だけを見に行ったってしょうがないだろうなあ、と。

最近の就職間氷期でもそんな状態なんだろうか、と思っていたら、ITMediaとかで就職活動指南みたいな記事を見た。そして過去の感情が復活した。なんで、みんなで揃ってそんな面倒くさいことをやるんだろう。いい加減止めればいいのに。Web2.0とかいいながらそういう活動を持ち上げる ITMediaの姿勢に疑問を持ったのかもしれない。

糊口をしのぐという本来の目的からすれば、「就職活動」というのはメタ行為である。それよりも「どうやって糊口をしのぐか」というベースレベルに力を注いだほうがいいんじゃないか。

同じようなメタ行為としては「受験勉強」というのがある。俺が高校のころ (ちょうど第二次ベビーブーマーだ) には、大学受験というのはもうメタ行為としても認識されず、ベースレベルの行為として頑張るべきものだ、という雰囲気であった*1。個人的には受験数学などはパズルのようで面白かったので得意になってやっていた。

そういう自分の目を覚ましてくれたのが、誰かに聞いた次の台詞だった。

「大学に入るために勉強するんじゃない。勉強するために大学に入るんだ」

なんかこうして文字にしてしまうと凡庸な気もするが、確かに本末転倒な自分を気づかせてくれるには十分だった。

就職活動に関してはこういう綺麗な反語表現が見つからないが、同じことが言えるんじゃないか。

ただ、学生に関しては就職活動を実際に早くから始めなきゃ職が見つからないという現状もあるかもしれない。そんな就職活動なんていうメタ行為にたけただけの学生をとってしまう企業にも問題はあるんだろう。「優秀なエンジニアは「入社時のスキルを問わない会社」には就職してはいけない」という記事も思い起こされる..*2

まあ、いずれにせよいいたいことは、就職活動なんかにうつつを抜かすな、ってことだ。実力があればとってくれる会社はきっとあるだろうし、逆に採用を就職活動なんかに頼っている会社は廃れていくんじゃないのかしらん。いや、もちろん希望的観測だけど、その意気で世の中わたっていったほうが幸せなんじゃないかな。

*1:最近は少子化で違うのかしらん?

*2:そもそも日本人はこういうメタ行為を意味もなく洗練させてしまう傾向が高い気がするのだが、やっぱり気のせいかもしれない。