配偶者xの献身

嫁に読めといわれた「容疑者xの献身」を読んだ。関係ないが、Anthyは何度も「検診」を第一候補に出してくる。お医者さんごっこのようでうざいぞ。

閑話休題。面白いことは面白かったが微妙だ。どうしたものか。
トリックは面白い物ではあった。論理的な数学者の作ったトリックと強調して書いてあるだけはある。
とはいうものの、結局の所失敗するのだからなあ。やはりちゃんとリスクマネジメントをして犯罪工学まで昇華させてほしかった。

結局の所、パズルとして楽しかっただけで、嫁の言うような「感動」を与えてくれるようなものではなかった気がする。

とはいうものの、そんなことを正直に言ってしまうと絶対不機嫌になってしまうのは目に見えている。嫁は「感動したねー」と同調する相手を欲しているだけなのだ。そのくらい、空気を読まないことを是としている自分でも分かる。

逆に言えば、石神のキャラに欠けているのもそれだ。自分が献身した結果、相手がどう思うか。それを考えないで論理的も糞もあるか。論理的には推し量れない「感情」というものがあるとちゃんと計算に入れておけ、ボケ。それを考えなかったら、結局の所押し付けがましいただのストーカーと変わりはない。

ストーリーでは靖子が感動に打たれるように誘導してある。でも、最初に自首しておけばよかったものを、隣の気持ち悪いストーカー男に教唆されたせいで、死体遺棄の罪まで背負い込まされたとも考えられる。靖子の心情次第では、それを恨むことだって充分あるだろう。そうなったら感動どころのはなしじゃない。

それよりなにより、嫁にどう反応すればいいかという難問を俺に背負い込ませたのがむかつく。なんかこの文章を書いたせいで、さらにこの作品のあらが分かってしまった。ロバの耳的に愚痴をこの匿名日記に吐き出して、明日はいい点だけを想い出そうと思っていたのに。なんか批判めいたことを言っちゃいそうじゃないか。

もう堅信でも検診でも謙信でもしてやがれ。