続・タバコの方が大変だろ

folivoradelsucさんのエントリきくち先生の日記などをみてまとめたことです。

まず、どの程度影響があるか見るのに「発生率」を見るのもいいですが、「死亡率」も見ないといけない気がしてきました。
つまり、タバコの影響が心配される肺がんに比べて、脳腫瘍は発生したとしても死亡に至る割合は低いようです。
こういうデータは国立がんセンターの統計のページが参考になります。
具体的には、脳・中枢神経系の腫瘍の死亡率が高くても 0.006% (6e-5) なのに対して、肺がんの死亡率は 0.7% (7e-3) まで高まります。つまり百倍ぐらい肺がんの方が危険だってわけです。

発生 (罹患) 率についてもは、肺がんが最大 0.6% (6e-3) なのに脳・中枢神経系は多く見ても 0.02% (2e-4) と、10倍近く違う。まあ、肺がんは年齢差、性差がでかいんで、最大値を比較するのは unfairだってのもありますが。

ということで、発生率が 50%ぐらい増えたって危険性も低いんだしタバコほどの悪影響はないだろ、と。そもそもタバコの肺がんに対する寄与は 50%じゃすまないだろうってのもあるし。と言うのが個人的な結論です。

逆に、発生率が有意に 50%増えるとしたら、それはそれで全体としてみると衝撃的な事実なんでしょう*1困ったもんだなさんがこだわるのや、切込隊長の奥さんが驚くのも専門家としてはむべなるかな。かもひろやすさんいわく:

脳腫瘍の発症率が年間100ppmから150ppmに上がっても、個人としてはたいした問題ではありませんが、携帯電話の長期使用者を少なめにみて1000万人としても脳腫瘍患者が毎年500人余計に生じることになって、社会的コスト増としてはそれなりに痛いです。この手の危険性というのは、主にそういう問題です。

http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1231323525#CID1231399303

とりあえずは、みのもんた教育再生懇談会とかに煽られない用に注意するのみです

*1:ちなみに、有意性に関する id:mobanamaさんの指摘はまだ咀嚼できてません。ペコン。