黙って俺について来い
俺もちょうどシリコンバレーの風土について書こうと思っていたのに、弾め、「シリコンバレー精神vs風土」- 404 Blog Not Foundでネタをかぶせてきやがった。おれの脳を読み取ったか。と思ったが俺の書きたかったこととは違うな。大体、おれは「シリコンバレー精神」をまだ読んでない。すまん。
確かに弾さん(敬称つき)の言うようにシリコンバレーの天気はひどく単純で、そして快適だ。5月からは天気予報を見る必要もない。昼間はやけに暑いが夕方は涼しい。そして芝生は偏執狂ともいえるスプリンクラーと芝刈りのおかげで青々としている。高い建物はほとんどなく、青い空が見渡せる。人はなんだかんだいっても親切だ。余裕があるのだろう、つたない英語でも何とか聞いてくれる。
弾さんは「天気のせいにできないから仕事をする」と書いていたが、それ以前にこの風土は精神に直接影響する気がする。何かここならできそうな気がするのだ。何ができるかはわからないが。俺だけじゃなく、同じようにこっちに来ていた引きこもり傾向があるエンジニアもいっていたから、ある程度共通したものだと思う。とりあえず、前向きになってしまう。
空いてるテナントを見ると「一つここを借りてビジネスでもはじめてみるか」とか思う。東京での「会社を興す」に比べて、ものすごく easy goingでできそうな気がしてくるのだ。もちろん実態は大変なのだろうが、失敗してもまあいいか、明日は明日の風が吹くし、なんと言ってもその風はさわやかだ。
そんなことを caltrainに乗りながら考えていたら、表題の歌が浮かんできた*1:
見ろよ 青い空 白い雲
そのうちなんとかなるだろう
なんだかシリコンバレーのことを歌っているように思えてくる。金がなくてもベンチャーキャピタルがついてくれるし。
逆に考えると、当時 (1960年代) の日本にはこういう歌がはやる下地、現在のシリコンバレーと共通した空気があったのかなあ、と夢想する。東京オリンピックのころだ。所得倍増計画もあり、未来を無限に信じられたのかもしれない。きっとそのころの東京の空は今よりもずっと高く、バルンガが浮かんでいたんだろう。
とはいっても、オイルショック後の東京に生まれてきてしまった自分には遠い世界の話だ。じめっとしてせせこましい東京しか知らない。郷愁ではあるがそれも好きだ。
シリコンバレーでも最近は空気が湿気てきた、という話も地元民から聞く。実際、冬季の雨は4月終わりまで降り続いたし、この8月には雨も一度だけ降った。弾さんの感覚と関係あるかわからないが、風土も変わってきているのかもしれない。新参者としては、おどおどしつつ見守るだけである。
entry自体がちょっと湿っぽくなってしまったか。