マイホームは Priceless or useless? - 封筒裏の計算を超える

まあまあ、みんな、もちつこうよ。って、俺が割って入れるかどうかも分からないけど。
はてブの注目エントリになった「女がマイホームにのぼせ上がってしまうと始末に負えない」のエントリに関して弾さんが「プロが正論にのぼせ上がってしまうと始末に負えない」と返している。

俺としては人事ではないので封筒裏の計算をやってみた。ちなみに、俺はここら辺に関してはちゃんとした知識を持っているわけじゃない。経理関係で持っているのは簿記三級だけ、っていうあまちゃんだ。突っ込むところがあったら大いにつっこんでほしい。

まず借金をしない場合について考える。

マイホーム、たとえば 3千万円のマンションを買うとしよう。原価償却は難しいところだが、40年とする。1年あたりの資産の目減りは (/ 3000.0 40) => 75万円だ。ちなみに、これは償却してしまうので、40年後の価値は 0、まったくなしだ。

それに対して、借家住まいを続けた場合。月の家賃が 10万 (3千万のマンションと同じぐらいの家賃はそんなもんだろう) だとする。年に 120万だ。払うだけで何も残らないので資産の目減りと考えていい。

これだけだと購入のほうが得に見えるが、そうでもない。条件を平等にするなら、最初に3千万円の現金があるのだ。これを寝かせておく手はない。年利 2%で運用できれば 60万の利益だ。差し引き、60万円しか目減りしないことになる。なんだ、借家のほうがとくじゃん。

現金がなくて借金をする場合、マイホーム派には逆にローン金利がのしかかってくる。いまは低金利なので 2%ぐらいみたいだが、これからは金利があがると思われる。

さらに、マイホームは固定資産税やら維持費も大変だ。借家だったら大家に文句を言えば修繕してくれるのに、マイホームは自費で直さなきゃいけない。また、買ってしまったら自由度も失われる。借家なら状況などに応じて移動できる。収入が少なくなったり、仕事が変わったりすれば移ることもできる。

以上、マイホーム派の不利になることばかり書いてしまったが、一概にマイホームを否定できるか、というとそうでもないと思う。

そう、同じお金として考えれば、これは自分とその家族への設備投資なのだ。マイホームというかたちとして投資した結果、ほかの利殖を上回るパフォーマンスを出せばいいのだ。

マイホームでしかできないことはいろいろある。自分好みにして趣味に没頭し仕事を忘れる癒しの空間をもたらすのもある。単に「持ち家がある」というだけで精神的にがんばれるときもある。愛妻家の人なら、マイホームを買ったときの妻の笑顔だけでも自分のパフォーマンスをあげられるだろう。くさい言い方だけど pricelessになる。

そういう意味で、借金でのマイホームは冷徹に、世帯のパフォーマンスをあげられるかをかんがみつつ買うべきだ、っていうのが、専門家だけではなく一般人としての心構えなんじゃないか。花村さんのよく見る夫婦は、そういう心構えがあるのか、っていうところが疑問視されてるんじゃないのか。妻の尻にしかれた夫と、夫の反論をふさぐだけの脳みそしかない妻。そんなのにこれ以上の価値を創造できるのか?

そういうのを思い出させてくれた、刺激的ではあるけど良心的なエントリだと思ったけどなあ、俺は。ほんと、マイホーム相談会での税金相談なんてローン控除の計算ぐらいしかしてくれなくて意味ないって言うか、花村さんみたいな人がいたらほれるだろうなあ。いや、花村さんだってそういう場でここまで腹は割らないだろうけど。