言葉なんて飾りです。偉い人にはそれがわかってる...ハズ

言葉で解決する問題なんて少ない。それを肝、いや体の隅々の筋肉にまで銘じておくべきだ。


ま 『この程度の説明ぐらいで責任転嫁とかにはならないと思うけどなぁ
人身事故で遅れていますとか説明するのは普通だと思うけどなぁ
送れていますだけだと理由説明しろと思う人もおおいんじゃないのかな?理由説明されないと気になると思う
それに今回は大規模に停電して他線も影響が出ていたんだから
きちんと説明があった方が親切だと思うけどなぁ』 (2006/08/14 23:32)

原因報告は「飾り」でしかない。

まず、このような状況のときに鉄道員がしなきゃいけないことはなにか。状況を把握し、応急処置をし、代替策を見つける。客が取れる対応があれば、それをアナウンスする。

そういう客に役に立つ努力をせずに「東京電力によります」「伊藤忠サイエンスのオペレーションにて」とアナウンスして「責任は果たした」とする、そういう態度について疑問を呈しているわけだ。アナウンスするのとしないの、どちらがいいという問題ではない。

まあ、本当にそういう態度だったのかは分からない。それ以外の回避法もない気もする。そこについては、また別に論じなきゃいけない。今は論じる必要はない。条件反射厨もすこしシナプスの発火を抑えてくれ。

あくまで、これは例だということだ。そういう時代風潮を感じさせる実例。そこから敷衍してほかの数々の「いいわけ」を思い起こさせる。そして翻ってみて、自分がそういう行為をしていないか反芻する。別にこんな大事故じゃなくても、普通の仕事のなかでも似たような状況は存在する。そこで「いいわけ」をしてないだろうか。言い訳していなくも、問題を自分のほうに引き寄せて考えることで何か改善しないだろうか。そういうことができれば、より自分は成長するだろう。俺は成長した。多分。

俺はコメント欄に「root(ルート)から/(ルート)へのメッセージ―スーパーユーザーが見たひととコンピュータ」から引いた東北線の話を載せておいた。これは、大雪害の中、客が欲しているサービスを鉄道員が持てる能力を最大限に発揮して提供した話だ。もちろん、このときも車掌は「豪雪のため」などと謝ったろう。でも、そもそも全面運休になるかも知れない中、1本でも列車を通してくれたのだ。その態度が見えれば、たんなる責任転嫁とは見えない。俺だったら泣くね。こういう、男が地味なことにがんばったって話に弱いんだよ。

脊髄反射の人にも三分の理はある、と相対主義の俺は考える。そうするとなんだろうね、これは例が適切じゃなかったのかな。それがゆえに誤解して「いう/いわない」問題に帰着しちゃう。もうすこし考えて「こういうことをいいたかったんだ、でも例が悪いよなあ」までいってくれれば、ああいうコメントは出なかったろうに。でもそもそも例っていうのは直感的に把握するためのものだからな。例が悪くて、ほかの部分にとばっちりが言ってもしょうがないか。うに泥うに泥。

mkusunokさんはライターらしいので、こういう反応にはなれてるんだろう。俺ががんばって説明することもなかったか。でも、こんな適切な例えでもあさっての方向から反応が返ってくるって怖いなあ。